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2016年3月22日火曜日

シリーズ「なぜ大卒を採用するのか?」(1)

シリーズ「なぜ大卒を採用するのか?」
今日から3回に分けてシリーズで特集します。




1.ガクチカは無意味?

企業の採用の際に、「学生時代に何をやったか」を面接で聞く会社は多いようです。
そこで、就活生の皆さんも、「ガクチカ」対策をがっつりやっているようです。

でも、正直に告白しますと、面接するほうとしては、就活生が学生時代に何をやったかということには、余り興味はないのです。
というのは、

(1)学生時代に力を入れたことを、社会人として活かせる場面は実は殆どない
(2)学生時代に何をやったかで人物を判定しても、実際に仕事をやらせてみると、学生時代の話とは無関係に、仕事ができる者はできるし、できない者はできない

という「にべもない」現実があるからです。

では、本当に聞きたいことはどういうことでしょうか?
それは、「あなたはどのようにしてその大学に合格しましたか?」ということです。

いまの日本の大学は、卒業するのは簡単です。
それは、卒業するのを難しくすると、入学希望者が激減するからです。
より好みしなければ全員が大学に入れる大学全入時代であり、かつ少子化の現代にあっては、一部の上位大学を除いて、大学は入学希望者を集めるのに四苦八苦しています。
有名大学も、受験者を数多く集めて受験料で荒稼ぎするビジネスモデルは、とっくに終焉しています。

要するに、「お客様満足度」を向上させて、なるべく多数のお客様にお越し頂くことが大学ビジネスの成功方程式になっているのです。

ここでいう「お客様満足度」とは、「卒業しやすく、就職実績がよい」ということです。
ということは、大学側は、厳しい成績評価をして落第させることは勿論してはならないし、勉強を強要して「一生懸命勉強しないと単位が取れない」ような教授には「もっと簡単に単位を出すこと」を命ずることになります。

仮に教授側がそのような要望を受け付けなくても、学生のほうでそのような講義には登録しなくなるので、自然と大学の単位は取りやすいものが主流となって行きます。
これが現状です。

こうなると、学生を採用する企業側は、学生に対して「大学時代に一生懸命勉強してきた」ということは最初から期待できないということになります。

そこで、仕方なく聞き始めたのが「学生時代に(勉強以外で)力を入れたことは何ですか?」という質問です。
「勉強以外で」とわざわざ聞くのはお愛想であって、本当は「大学時代の勉強など期待していない」というのが企業側の本音です。

【次回は「2.企業の求める人材とは?」です】



日本ジェノス株式会社
代表取締役  上野善久

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